この記事は phys.org の記事 "Deadly summer of extreme weather" を翻訳したものです。
長い間、気候科学者たちは警告を発してきました。地球温暖化の深刻な結果が現実のものになろうとしています。21 世紀において、地球温暖化によって自然災害が悪化したり、おそらくは引き起こされたりしています。
しかし、この夏に連続して発生した致命的な極端な天候の出現により、2021 年における気候予測は無視できない現実となりました。
カナダの灼熱地獄
6 月末、カナダ西部では「熱ドーム（heat dome）」現象が発生し、高気圧前線によって熱気が閉じ込められ、灼熱の高温をもたらし、熱気が戻ってくるとさらなる上昇を引き起こします。
カナダの最高気温記録は何度も更新され、最終的な記録は 6 月 30 日にリトンで記録された 49.6℃でした。
アメリカのワシントン州とオレゴン州も影響を受けました。
現時点では正確な死者数はわかりませんが、少なくとも数百人が亡くなったとされています。
先進的な気候科学者のチームの研究によると、人為的な気候変動がなければ、このような天候状況は「ほぼ不可能」であったとされています。
World Weather Attribution は、温室効果ガスの排出による地球温暖化により、6 月の熱波の発生確率が 150 倍に上昇したと述べています。
ヨーロッパの致命的な洪水
7 月中旬、大雨がヨーロッパ西部を襲い、壊滅的な洪水を引き起こしました。多くの村が壊滅し、ドイツとベルギーだけで 209 人が死亡し、数十人が行方不明になりました。
ルクセンブルク、オランダ、スイスも洪水の被害に遭っています。
一部の地域では、2 日間で 2 か月分の降水量が降り、既に飽和状態の土壌による浸水が発生しました。
中国の大洪水
今月、中国も洪水に見舞われました。木曜日までに、驚くべき歴史的な大洪水が中国中部の都市、鄭州で少なくとも 33 人の命を奪いました。
前例のない大雨がわずか 3 日間で 1 年分の降水量をもたらしました。急激な過剰な雨水は、通りを押し破り、道路のトンネルや地下鉄システムに泥水を流し込みました。
カリフォルニア州の山火事の蔓延
恐ろしい干ばつの影響を受け、アメリカ西部の山火事シーズンは始まったばかりですが、既に数千人の消防士が 80 箇所以上の大火に対応しています。
今週初めまでに、これらの大火は 4700 平方キロメートル以上の植生を破壊しました。
最も激しい火災はオレゴン州の「Bootleg Fire」で、2 週間でロサンゼルス市全体の面積に相当する植生と森林を焼き尽くしました。
オレゴン州林業部の専門家、マーカス・カウフマンは、この大火が「自己持続的」であり、雷を引き起こす可能性さえあると述べています。
隣接するカリフォルニア州では、Dixie Fire（この火災は木が電線に倒れたことが原因とされています）が進行し続け、複数の村が避難しています。